日本気象学会2015年度春季大会 参加報告

2015年5月21日から24日にかけて、つくば国際会議場で2015年度日本気象学会春季大会が開催され、本研究室からは教員2人、学生9人が参加した。岩渕准教授、片桐(PD)、三井(M2)は口頭発表を行った。山田(D3)、齊藤(D2)、田村(M2)、Gita(M1)はポスター発表を行った。

専門分科会と一般口頭発表
複数の専門分科会と一般口頭発表のセッションが設けられ、それぞれのセッションのテーマに沿った内容の口頭発表が行われた。特に私にとって興味深かったのは専門分科会『次期静止気象衛星「ひまわり8号」がもたらす未来の気象学』であった。正式運用開始を夏に控えたひまわり8号のデータを用いた研究の取り組みが各研究者によって行われていることが報告された。これらの研究の今後の発展が楽しみだと感じた。(岡村凜太郎)

ポスターセッション
口頭発表の合間に、別会場でポスターセッションが行われた。今回のセッションでは研究者や大学生だけでなく高校生による発表も行われ、様々な世代の間で活発な議論が行われた。研究対象は多岐にわたっており、自分が興味を持ったのはブラックカーボン含有粒子の光学特性の計算法についての発表で、従来の計算法よりも誤差を少なくできるというものだった。それ以外にも興味がある発表が多く、自分の知識を深めることができた。(村上樹)

シンポジウム 『地球温暖化の停滞と加速』
本大会のシンポジウムでは、地球温暖化の停滞(ハイエイタス)についての講演が行われた。近年の地球温暖化は人為的な温室効果気体の増加によるものだと言われている。しかし、最近15年間は二酸化炭素濃度が増加を続けているにも関わらず、全球平均気温は横ばいの状態が続いている。この現象はハイエイタスと呼ばれることもあり、大きな関心を集めている。最近の研究により、温暖化は止まったわけではなく、海洋内部での熱の吸収や熱帯太平洋で見られる10年規模のラニーニャ的なSST偏差が人為起源的な昇温効果を相殺していることが明らかになってきているようだ。このシンポジウムでは大気海洋間の相互作用など海洋に関する講演が多く、自分も視野を広げて研究を行わなければならないと感じた。(高橋直也)