研究紹介

海洋分野もビッグデータ時代:データ解析を通じて、海を知ろう

衛星データなどの、海洋データを解析して、海で何が起こっているのかを調べています。水温や流れなどの物理データだけでなく、二酸化炭素や栄養塩濃度、クロロフィル濃度などの化学・生物データも扱い、総合的な視点で海を捉えます。

研究室紹介2022(PDF, 3MB)

研究室紹介2021(PDF, 2MB)

研究室紹介2020(PDF, 2MB)

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1990年代から2000年代始めにかけて多くの科学技術衛星が打ち上げられ、衛星海洋観測システムが構築されました。大気海洋変動観測センター 衛星海洋学分野では、1990年の創設以来、海洋観測におけるこの大きな流れに参加し、活動してきました。今や、私たちは変動する海洋の実態を、海面水温、海色、海上風、海面高度,海面粗度画像などを用いて高解像度で把握することができるようになりました。毎日のSST画像・Chl-a画像は、インターネットにより公開され、海洋に関わる様々な分野で活用されています。

海面は地球の表面の7割を占めます。大気と海洋をつなぐすべてのルートはここを通ります。運動量・熱・放射フラックスと大気海洋間を行き来する物質(ガス、液体、粒子体)は、海面を通らなければなりません。例えば、地球が吸収する太陽エネルギーの7割を通し、海に吸収されるほとんどのもの、例えば淡水、年々生産される二酸化炭素と酸素のかなりの部分、膨大な量の粒子物質、計り知れない量の人工的な汚染物質を通過させます。海面で起こる諸現象を総称し、海面境界過程と呼びます。衛星計測は海面・電磁波相互作用を基本原理としています。水平1km格子(衛星解像度と呼ぶ)より大きなスケールの現象を、衛星海洋学は的確に捉えることができます。

研究内容は、以下のようになります。

1)海面境界過程の研究: 衛星解像度内の海面の基礎物理過程

2)大気海洋相互作用の研究: 現場、衛星計測による時々刻々の大気・海洋変動

3)衛星海洋学の研究: 衛星海洋観測を用いた海洋変動現象