◆フェリー観測

3.1-2-location

日本近海のフェリーによる大気観測地点の概要


世界の主な温室効果気体の観測地点は、多くの場合陸上にあります。しかし陸上での観測は、人間活動や付近の植物の活動の影響を受けてしまうため、広域的な代表性が失われます。これに対して、船舶を用いた海上観測では、それらの影響を直接には受けないため広域の代表性が確保され、質の高い観測が可能になります。
本研究室では上の地図のように、フェリー運行会社のご協力のもと、稚内-利尻・礼文島、境港・七類ー隠岐島、鹿児島ー沖縄本島、石垣島ー波照間島を結ぶフェリー航路上での大気採集を行ってきました。

3.1-2-co2longterm

東アジア観測域におけるCO2濃度の長期変動成分

3.1-3-co2seasonal

東アジア観測域におけるCO2濃度の平均的な季節変動成分


上の図は4つのフェリー航路上で観測された二酸化炭素濃度について、季節変動成分を取り除いた長期変動成分を示しています。地球温暖化の原因となる二酸化炭素濃度は、東アジアにおいても増加の一途をたどっていることが判ります。さらに下の図は、同じ観測結果から得られた平均的な季節変動成分を表しています。それぞれの観測点は季節変動の振幅や最大値、最小値の表れる時期が異なっており、観測点の位置によってシベリア域からの影響、中国域からの影響、また東アジアの亜熱帯域の影響をそれぞれ異なる割合で受けていることを反映しています。
これらの東アジア観測網によって得られた結果を他の国内観測や国際的な観測網によって得られている結果と比較することにより、東アジアにおける温室効果気体の変動の特徴を、より詳細に調べることができます。今後、東アジア地域が地球温暖化に対してどのようなインパクトを与えるのか世界的にも注目されており、この研究の重要性がさらに増すと予想されます。

私たちの観測には以下の方々のご協力を頂いています。

ハートランドフェリー株式会社様ならびにサイプリア宗谷、フィルイーズ宗谷、ボレアース宗谷の乗員の皆様
隠岐汽船株式会社様ならびにフェリーしらしまの乗員の皆様
マルエーフェリー株式会社様ならびにフェリーなみのうえの乗員の皆様
合資会社波照間海運様ならびにフェリーはてるまの乗員の皆様

長年のご協力に御礼申し上げます。