2014年9月18日、19日、東北大学 大気海洋変動観測研究センターにおいて
バーチャルラボラトリー(VL)講習会が行われました。

今回の講習は、大気海洋変動観測研究センターの物質循環グループと
気候物理グループの研究内容についての講義を受け、さらに実習を通して
実際の観測・計算・データ解析を体験していただき、最後に実習を通して
得られた成果を参加者全員の前で発表するという形式で行なわれました。

物質循環グループの実習では、全国の大学から参加した学部から博士後期課程の
学生12名が、大気サンプルの採取からCO2濃度の測定、さらにCO2同位体比または
酸素濃度(δ(O2/N2))の測定といった実大気観測の一連の流れを自らの手で行ない、
観測データがどのように得られているか理解を深めました。

まず初日の18日午後、大気観測の実習です。秋晴れの気持ちの良い日和でした。
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(物理系研究棟屋上において大気サンプリングしている様子
(もちろん、普段は立ち入り禁止です))
 
 
 
 
 
 
 
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(左:屋上で取ってきたサンプルのδ(O2/N2)を質量分析計で測定する実習)
(右:CO2濃度測定の実習)

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(左:CO2安定同位体比の測定のため、大気サンプルからCO2のみを精製する実習)
(右:精製したCO2サンプルを質量分析計で測定する実習)
 
 
翌日19日は2班に分かれ、過去の観測データから、Keeling plot解析を用いた
CO2濃度の日内変動/季節変動要因の推定、またはO2/N2およびCO2濃度の
ベクトル解析による全球におけるCO2収支の評価をしました。
最後に物質循環および放射グループの実習に参加した全学生、
さらにはVL講習会のために集まってくださった各大学の先生方の前で実習の
成果を発表しました。

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(過去の観測データを用いた解析実習)

自身の研究内容と異なり、実大気微量成分観測ををした経験したこのとことがない学生さんが大半でしたので、
実習、解析ともに苦労していたようです。しかし皆さんが興味を持って実習内容に取り組み、積極的に発言し、
議論をすすめてくれたおかげで、無事に成果発表を終えることができました。
参加された学生さん、お疲れ様でした。
 
 
また、VL講習会を実施するに当たり、講師をしてくださった石島様(JAMSTEC)、石戸谷様(産総研)、後藤様(極地研)、
参加いただきました各大学の関係者の皆様に感謝申し上げます。